【関数電卓:fx-JP900CW】確率分布アプリの使用例

統計学の計算では正規分布のP値をよく使います。

ここで使う正規分布は平均が0で分散が1^2N(0, 1^2)の正規分布です。

通常は正規分布表を使ってP値を参照します。

fx-JP900CWの確率分布アプリを使って、このP値を求めてみましょう。

ここでは試しにk=1.0の時のPを求めることにします。

はじめに、関数電卓の確率分布アプリにはkを指定した時の右側Pを求めるモードはありません。ある確率変数とある確率変数に挟まれた部分のPを求めるだけです。

正規分布の右側は無限なので、k=1.0のPを求めるためには1から無限の間のPを計算させればいいのですが、関数電卓では無限を指定できません。

そこで、以下のような工夫をします。

  1. -1から1の間の確率を求める。
  2. 1-Pを実行し、両脇の確率を求める。
  3. 2で得られた値を半分にして、求めたいPを得る。

まず、正規分布の累積分布を選びます。

そうすると、「下限」と「上限」、「μ」、「σ」を選択する画面に変わります。

下限と上限はそれぞれ-1、1とします。

N(0, 1^2)の正規分布なので、μは0、σは1です。

これで計算を実行します。

計算結果Pを適当な変数に入れます。ここではAに入れました。

fx-JP900CWの変数に登録したり呼び出したりする方法は分かりやすくて好きです。

ここで[HOME]ボタンを2回押して[OK]ボタンを押します。こうすることで「基本計算」アプリが立ち上がります。

1からAを引き、結果を2で割ります。

そうすると、0.1586552539が得られました。これが求めたかったP値です。

正規分布表で確認してみると、計算結果が正しいことが確認できました。

教科書の表には0.1587って書いてあるけど、実は0.158655って続く数字なんだなぁと味わいます。

(別解)

確率分布の右半分の確率が1/2であることを利用して、下のように0から1の確率を1/2から引く。

こっちの方が計算の量も少なくて、実用的ですね。

 

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