プレスリリース:三菱鉛筆 クルトガメタル

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やっとクルトガメタルの公式リリースがありました。

発売日は4月22日です。

長さは145.8 mmで、重量は17.6 gです。

三菱鉛筆ホームページより引用

写真の撮り方によるところも大きいと思いますが、結構かっこいいです。

これまでのモデルだとデザインが似ているわけではありませんが、ローレットモデルが雰囲気が近いです。

ローレットモデル

これまでもグリップ周辺部に金属が多く使われたクルトガアドバンスアップグレードモデルがありました。(下の写真の青い部分は樹脂です)

クルトガアドバンスアップグレードモデル

重量はローレットモデルが15.0 g、アップグレードモデルが16.0 gなのでクルトガメタルの17.6 gは結構重い方です。ちなみに、クルトガダイブのアビスブルーはキャップを含めると19.0 gですので最も重いモデルというわけではありません。

下の画像はクルトガメタルのグリップ部の画像です。

三菱鉛筆ホームページより引用

アップグレードモデルは口金部分は真鍮ですがパンチング加工したグリップ部は薄いアルミでできています。上の画像を見るとクルトガメタルはグリップ部から重めに設計しているのではないかと思います。

クルトガエンジン自体はKSモデルと同じだとプレスリリースに書いてあります。クルトガエンジンはクルトガのコア技術であるため2000円を超えるような、クルトガのメインターゲット(中高生と思われる)を外れた製品に最初に投入するとは思えないからです。

イメージ画像を見る限り、クルトガメタルはクルトガで育った社会人をターゲットにしていると思います。ゼブラのサラサグランドのような立ち位置の製品だと推測します。

クルトガメタルにはニブダンパーと呼ばれるペン先を安定させるパーツが実装されています。

三菱鉛筆ホームページより引用

最初見た時はKSモデルと同じように見えましたが、少し違いがあります。

KSモデルの口金部

KSモデルは3段絞りの口金の先から金属が直接飛び出したような先端構造になっています。これはアルファゲルスイッチなどと同じ構造でした。

クルトガメタルはペンユニットの飛び出し部に従来から実装されていた樹脂パーツを組み込んだんだと思います。ペン先のガタツキが少ないと言われているKSモデルの場合、上下のガタツキは確かに少ないのですが、軸に垂直な方向へのガタツキは多少なりともあります。ですから、買ったまま使っているとカチャカチャという感触は感じます。私は下の写真のようにグリスを塗布することでそれを防いでいます。

この塗布効果は絶大です。それなりに粘度のあるグリスなら安定して留まります。上の写真は普段使っているKSモデルですが、買った直後に塗布してそれなりに使ってもグリスは留まっているのがわかると思います。以前も書きましたが、どんな機械でも稼働部の隙間をゼロにすることはできません。ですから多少のガタツキは避けられません。特に使用感にこだわる場合、稼働部にグリスが塗布されることがあります。グリスがあることで部品と部品が当たるように動いた際、グリスによる圧力が発生します(動圧という)。これにより部品同士が直接当たることを避けることができます。ですから、私がやっているようにグリスを塗布すればペン先のカチャカチャ音は完全に消すことができます。しかしながら、クルトガのような製品でこれをやることは難しいと思います。内部機構ならともかく、分解して露出する、つまり、間違って拭き取られたりするリスクのある部分に重要な機能を担保させるのは製品設計的に難しいからです。代替機能を持たせるなら、この部分に摺動性が高く耐摩耗性に優れた樹脂、例えばポリアミド(PA)やポリアセタール(POM)などを配置するのがいいと思います。材質はよく分かりませんがクルトガメタルは後者の方法でペン先の軸に垂直な方向のガタツキを低減させているのだと思います。

ウェブサイトの表現を引用します。

ペン先に筆記時の衝撃を和らげる樹脂製パーツ「ニブダンパー」を搭載。ペン先の動きを感じにくく、安定した書き味を実現。

「ペン先の動きを感じにくく」という表現から、動き自体を小さくしているわけではないことがわかります。グリスを塗布したKSモデルの方が静音性では優っていると推測します。

クリップ部分はクルトガダイブの形状を周到しているようです。

SNSなどをチェックしてみるとクルトガメタルは潤沢に提供されるような製品ではないようで、もしかしたらクルトガダイブのように滅多に店頭に置いていない希少な製品になる可能性があります。クルトガダイブはいまだに店頭に置いていることを見たことがないので、こういう供給体制や販売方法はどうなのかなと疑問を感じているところです。

ただ、クルトガメタルは内部機構がKSモデルと同等と推測されるので、生産性はそれほど悪くないと推測します。発売が予定より遅れたことを考えると、外装部品の調達に少し手間取ったんだと思いますが、そのうち安定供給されるのではないかと期待しています。

総括すると、クルトガメタルはKSモデルの外装を高級にしたバージョンで、革新的な技術は特に使われていないと推測します。ちょっと細身に作ってあるように見えるので、もしかすると、KSモデルの内部機構を全体的にコンパクト化している可能性もあり、もしそうだとすると、結構大きな設計変更が加えられている可能性もあります。

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