高校数学プラスα

先日、八丁堀の丸善に立ち寄ったらエスカレーターを登ってすぐのところに大学新入生向けのコーナーが設置してあった。大学入学前にしっかり予習復習しましょうってことだろう。そこに面白そうな本が置いてあった。

高校数学プラスαという本だ。この本は以下のサイトにあるpdfの内容を加筆修正したものだ。全内容はpdfで確認できる。自分はこの手の本は紙に印刷したものが読みやすい。印刷製本代だと思えば2600円という価格もそれほど高いとは思わない。

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内容的には高校数学だが、書き方は参考書とは全然違う。まだ最初の部分しか読んでいないけど、書き方はすごく厳密だ。しかし、内容的には高校数学なので、難解すぎてよくわからないってことはない。むしろ読み物として興味深く読むことができる。

例えば、マイナス×マイナスがプラスになることを「公理」から導き出したり、無限大は数じゃないからゼロで割り算しちゃいけないとか、たいていの人は手続きとして当たり前のように取り扱っている内容をより深く掘り下げたことが書いてあって非常におもしろい。急いで読むよりもじっくりと内容を吟味しながら読むほうが楽しいと思う。

学生時代、2元1次連立方程式の解が2直線の交点だと気が付いたとき、数学の自由さのようなものを感じたことを今でもよく覚えている。最初はxを消すためにそれぞれの式のxの係数の最小公倍数を見つけ、引き算してxを消して、次にできた式をyについて解き、そして改めてxを求めなおすという「手続き」として解き方を覚えた。二元1次方程式はyについて解くといわゆる直線の式として認識できるが、①の式と②の式を同時に満たすxとyの組み合わせは二直線の交点に違いない。ということは、交点が求まればなんだっていいわけで、計算が煩雑になることをおそれなければ、最小公倍数をもとめなくてもお互いの係数をかけ合わせて強引に引き算したっていいし、式の形によってはお互いにxかyについて解いて、イコールで結び付けてゴリゴリと解きなおせばいいわけだ。結局やってることは一緒なのだ。別に教科書で習った手続き通りやる必要はないのである。

自分はそれほど高度な数学を知っているわけではないが、高校の授業で習うような数学はこのようなちょっとした考え方に気が付くか気が付かないかが大きな差になっていくと思う。だから、ちょっとした考え方に気が付くためにものすごく時間を使うことは無駄なことじゃないと思うのだ。基本もわからないのに応用問題を解いて、解き方を覚えたような気になっても、それは何かがわかったということには決してならない。

勉強も仕事も同じことだと思うけど、腹に落ちるというか、分かったという感覚を持って前に進むことがホントは大切なことだと思う。

高校数学+α:基礎と論理の物語

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