uniball ZENTO Signature Model Black

uniball ZENTO シグニチャーモデルのブラックを買ってきました。ホワイトを買うつもりだったんですが、実物を見たらブラックがカッコよかったのでブラックにしました。

まず、箱がカッコよかったので、箱から紹介します。

uniball ZENTOの正式な発売日は2月3日ですが、少し早めに手に入れることができました。

ZENTOは水性インクのペンで、大きく下の4つのラインナップが準備されています。

  1. Signature Model
  2. Flow Model
  3. Standard Model
  4. Basic Model

Signatureは今回紹介するペンで、全体が金属でできたキャップ式のモデルです。これ以外は全てノック式です。

Flowはグリップの表面がアルマイトでできたモデルです。

Standardはロングラバーグリップのモデル。

Basicは基本的にStandardと同じですが、ノック部に赤青黒の色分けがなされています。

FlowとStandardは注文済みなので、来週くらいに届くはずです。その時にまた紹介します。

さて、Signatureです。

全体はこんな感じで、軸は金属製です。

キャップは磁石で固定されていて、キャップを装着すると「チャッ!」と小気味よい音がします。クルトガダイブと同じ方式ですが、軸とキャップが金属なので、クルトガダイブよりも甲高くて硬い音がします。

キャップを外すとこんな感じ。

グリップ部分はラバーっぽく見えますが、金属に塗装された仕様です

(ここから訂正)

次の日、軸を分解してみて少し違和感を感じました。

軸のグリップじゃない方の、後端が非常に軽かったのです。もしかしたら、サラサラした部分は樹脂かもしれません。となると、同様の材質っぽいグリップ部も樹脂なのかもと考え始めました。

グリップ部を観察してみると、黒い部分は端面もきれいな黒で塗装されたような感じがしません。内部機構に黒い別部品が嵌合されているため、グリップ部が単一素材でないことがわかります。

さらに観察を続けると、軸後端の艶消し部分には樹脂製形時にできるパーティングラインらしきものがありました。よって、ほぼ間違いなく樹脂でしょう。

しかしながら、グリップ表面にはパーティングラインが見当たりません。ただ、グリップの太い部分の表面にはわずかながらに違和感のある部分がありました。下の写真ではわかりにくいですが、端部を観察すると180°の間隔で2カ所、わずかに線が観察できました。これでグリップの表面の材質が樹脂であることを確信しました。ただし、表面にパーティングラインが出ないよう、金型にインサートを入れているんじゃないかと思います。グリップがなだらかなテーパー状になっているのはデザインということもありますが、成形した樹脂の抜き勾配を兼ねているようです。

金属に塗装した部品にしては不思議なグリップ力があると感じたのも、素材が樹脂だからかもしれません。そうなると、使用して塗装が剥げることはないでしょう。

なかなか凝った構造です。

(訂正終わり)

表面が若干粗く仕上げられていて、独特なしっとり感のあるグリップです。この手の仕上げは表面粗さの設定を間違うとサラサラになりすぎて、グリップ感が失われがちです。しかしながら、Signatureは絶妙な粗さに設計されています。塗料にも一工夫あるんじゃないかと思います。

キャップを装着しない状態だと、長さが119 mmくらいです。このままでも書きにくくはないです。

キャップをつけるとこんな感じ。全長は133 mmくらいになります。

グリップの太さは一番太い部分が11.8 mm、手で持つくらいの部分が11.2 mm、一番細い先端部分が9.5 mmでした。気持ち太めですが、太いと感じるほどの太さではありません。

重心はグリップの少し上あたりで、ペンのちょうど真ん中あたりです。ただ、全長が短めなので、比較的低重心に感じます。

重量は22.3 gで少しずっしりした感じがありますが、重すぎる感じではありません。

クリップはこんな感じ。

ジェットストリームプライムの多色ボールペンのクリップに似ていますが、付け根に丸い造形が施してあります。私が持っているuniのボールペンでこのデザインのクリップはないです。

グリップを少し拡大して観察してみます。

こういう質感のグリップは珍しいです。

似たようなコンセプトのグリップはLAMYのAIONに見られます。AIONもフルメタルの軸ですが、グリップの仕上げが軸と異なります。

ふたつ並べてみると、なんとなく似てます。もしかしたら、AIONのデザインを参考にしたのかもしれません。

不思議なことに、グリップも軸も指紋は目立ちません。

Signatureは全体的に艶消しっぽい仕上げで質感は高いのですが、おそらく使っていくうちに艶が出てきたり、塗装が剥げたりしそうだなぁという感じがします。こればかりは使ってみないとわかりませんが、艶が出たり、塗装が剥げたマットブラックはかっこいいと言えばかっこいいです。

サイズ感はぺんてるのケリーによく似ています。

重量もSigunagureが22.3 gでケリーが21.2 gです。

この写真を撮った後、LAMYのPICOともよく似てると思ったので、比較してみました。

PICOの方が小さいですが、なんとなく雰囲気が似ています。PICOは小さいので軽そうに見えますが、重量は21.4 gと結構ずっしりしていて、Signatureに近いです。

筆跡はこんな感じ。

水性インクという表現は結構微妙で、パイロットVコーンやトンボの505のような昔ながらの水性インクも水性インクですが、ノック式Vコーンも水性インクです。ゲルボールペンも水性インクですし、OHTOのCR01も水性インクです。OHTOのCR01はVコーンや505に近く、ノック式Vコーンはゲルボールペンに近いです。ただ、ゲルボールペンと同じかというと少し違います。

実際に書いてみるとzentoはノック式のVコーンに近い筆記感です。ただ、売り文句どおり、なめらかさがあります。界面活性剤としてPOA(ポリオキシアルキレン)を使った効果としてなめらかになったとウェブサイトに書いてありますが、それははっきりと感じます。ノック式Vコーンは筆記時に小さな振動があり、ザリザリした感じが少しあります。zentoのインクにはそれがありません。ゲルボールペンと比べてみてもなめらかに感じます。

これはゲルインクなのでは?と思って、下のような検証をしてみました。インクが染み込みやすいリーガルパッドの紙面にペン先を数秒間接してみた結果です。

一番染み込みやすいのはCR01でしたが、その次がZENTOでした。ノック式のVコーンは若干滲みが見られました。サラサはやはりあまり滲みませんでした。この結果をみると、やはりZENTOは昔ながらの水性インクに違い性質のインクと言えそうです。

この書き心地を一言で言うなら「水性インク界のジェットストリーム」ですね。

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