PG-METAL 350使用後の印象

しばらく使ってみてPG -METAL 350を特徴づけているポイントが見えてきました。

  1. φ10 mmのグリップ
  2. クリップ位置が高い
  3. 低重心

下の写真はお気に入りのシャープペンシルの一部です。

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それぞれのペンの特徴を上の3項目で評価すると以下のようになります。クリップ位置や重心に関しては数値で定義したものではなく、感覚的なものです。

 

10 mmグリップ

高いクリップ位置

低重心

PG-METAL

O

O

O

S5

 

O

O

SMASH

 

 

O

STALOGY

O

?

O

STALOGYにはそもそもクリップがないのでクリップ位置に関しての評価は?としました。

ドクターグリップのような太軸のシャープペンシルは除きますが、評判の高い多くのシャープペンシルのグリップの直径は9mm前後が多いようです。たった1mmの違いですが、その印象は大きく変わります。

クリップ位置が高いシャープペンシルはパイロットのSシリーズやグラフ1000フォープロなどが代表格です。ただ、グラフギア1000やプラチナのプロユース07(ツチノコ)など、クリップ位置が低くても手への干渉を抑えた設計のものはあります。

低重心は必ずしも重要なポイントと私は思っていませんし、このクラスのシャープペンシルになると大抵このポイントはクリアしています。

表を見ればわかるように、3つの条件をクリアしているシャープペンシルはPG-METAL 350のみです。

STALOGYは口金が一般筆記向けの設計になっていますが、このような条件が感覚に合えば隠れた名品と言えます。

次に、昨日指摘したグリップのズレに関してですが、Oリングがなじんできたのか動きにくくなったように感じました。また、下の図に示すように、筆記時、グリップには下方向の力が作用し、上方向にはそれほど大きな力が作用しません。つまり、上に引き上げるようなモードがそれほど多くないので意図的にずらそうとしない限り、実用上は問題になりにくいということも考えられます。

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若干気になるのは、時々グリップと軸が干渉してギシギシというような音がすることがあります。分解直後は特に気になったのですが、現段階では落ち着いているようです。

Oリングのなじみや各部品の歪みのなじみなどもあると思うので、必要がなければ口金を緩めたりグリップを外したりしない方がいいのかもしれません。それをして壊れるということはないですが。

また、メタルグリップそのものの感触に関してですが、これは好みとしか言いようがありません。ラバーグリップに比べれば滑りますし、アルコール消毒した直後などは手の表面が乾燥しているので滑りやすいと感じます。しばらく使っているとほどよく手汗が出てくるのか滑りにくく感じます。

最近、気に入って常用しているOHTOのGS01も特にグリップはなく、グリップ部分はツルツルしたメタルです。GS01は油性ボールペンなのでシャープペンシルと同じ土俵で評価できない部分はあるにせよ、使いにくいと感じたことはありません。

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ラバーグリップと比較すると滑りやすいと感じますが、気にしなければ特に気にならないというレベルの問題だと思います。この辺の問題はグリップ力だけではなくて、グリップの形状や表面仕上げ、重量や重心とのバランスなどが総合的に作用して、感覚にフィードバックされますから微妙な問題だと思います。どのスペックが良ければオールオッケーというような問題ではありません。スペックを気にするのではなく、実際に手にして合うな合わないなで判断した方がいいと思います。

実はこの記事でクリップ設計に関する考察も書く予定でしたが、思いの外長くなったのでまた次のブログで書くことにします。

 

 

 

 

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